Sims2-目次 

マルフベード家

マルフベード家-紹介

マルフベード家-1話-魔王様からの命令
マルフベード家-2話-フィアが来た
マルフベード家-3話-深淵の悔み
マルフベード家-4話-フィアの疑問
マルフベード家-5話-あれから数日後……

[ 2009/06/28 14:07 ] Sims2-目次 | トラックバック(-) | CM(1)

マルフベード家-5話-あれから数日後…… 

フィアを拒絶して何日か経った。

ギルトーニはいまだフィアと顔を合わせることができずにいる。
一緒に食事をすることもなく、部屋に閉じこもっては本を読みふけったりしていた。


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このままではいけないのはわかっている……。

だが、どうにも出来ん。



その時、トントンと戸を叩く音がした。

「ギルトーニさん。」

フィアの声だった。

「来るな!貴様の顔は見たくない!」

子供を平気で殺す無慈悲な男に近寄ってはいけない。
だが、そのせいで私に懐いてきた子供も追い払って傷つけてしまった。

フィアもまた……。

傷つくのだろう。

何度私は同じことを繰り返さなければならんのだ。



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「私、ギルトーニさんとお話がしたいの。」

さっき、彼の名前を呼んだ時の声より小さく、夜の沈黙に消えてしまいそうな声。

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「話す事など何もない!」

さっきよりも強い口調になり、ギルトーニはフィアを怯えさせてしまったのではないかと不安になった。


扉の向こうでは小さくすんすんと空気の漏れる音がする。
しまったとギルトーニは慌てて扉を開けて、泣いているフィアのそばに寄った。


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廊下で泣かせるのはかわいそうに思ったので、そっと部屋の中に入れてやった。

「一緒に暮らしているのに……。すぐそばにいるのにお話出来ないなんて悲しいよ。
私が何かギルトーニさんにしちゃったのかな……。」

そうだ、フィアの親はもう傍にいない。
話す事も出来ないのだ。
身近にいる存在なのに話すことも出来ないのは彼女にとって言いようのない苦痛なのだ。

「だから……。うっ…。ふうえん。」

耳を垂らしえぐえぐと泣き始めてしまった。


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手を暫く間誤付かせて、うーむとかうーん。あーとか唸っていたが、
意を決したのかそっと黒い手袋をつけた手を伸ばした。


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「許せ。お前が嫌いなわけじゃないのだ。ただ、私はお前と同じぐらいの年の子供に
酷いことをしてしまったのだ。」

「だからお前を傷つけてしまうのではないかと思って、冷たくしたのだ。
お前が悪いわけではない。」

「あんな酷いことを言ったのだ。私と仲良くしようとは考えない方が……。」

「私はギルトーニさんとお話したいの!」

フィアは突然強い口調で言った。
ギルトーニはこれに目を丸くしたが、すぐに鋭くして


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「またお前を傷つけても知らんぞ。」

とどこかやさしげにそっと呟いた。

「いいの!!」




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フィアはぴょいとギルトーニの首にぶら下がった。
頭の上からおい!としかる声が聞こえたが、恐る恐るその体に大きな手が置かれるのを感じる。
フィアはその手のぬくもりを暫く享受していた。

[ 2009/03/28 19:13 ] マルフベード家 | トラックバック(-) | CM(0)

マルフベード家-4話-フィアの疑問 


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「ねえ、ルートさん。ギルトーニさんは私のこと嫌いなのかな?」

耳を少し垂らして下を向く。

ルートはそんなフィアを見て、ギルトーニのいる部屋の方を睨んだ。



ギルトーニ……。
お前はまた同じことをするつもりなのか?
克服するつもりだと言ったのはお前なんだぞ!



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「そんなことはないよ。まあ、ギルトーニのことは後で考えるとして、学校のこととかいろいろ決めなきゃいけないことがあるんだよね。君の部屋のものとかも用意しなきゃ!」

「でも、ここ。ギルトーニさんの家だよ。」



うう、痛いところをついてくるなぁー。


ルートはしばらく唸って悩んだ。
そして、「仕方がない」とぽつりとつぶやき、ギルトーニの部屋へと向かった。




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「お前、克服するっていっただろう!!」

「喧しい!長年変えられなかったことが、ほんの数十分で変えられるか!」

「フィアちゃんが嫌われたんじゃないかって気にしてるんだよ!」

「そんなことはない!あんなに可愛い猫耳娘!誰が嫌いになるか!!」


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「あのさ。フィアちゃんは親を亡くして寂しい思いをしてるんだよ。

「ああ、わかっている。」

肘をテーブルについて、手を組み合わせて額を当てる。
そして、大きく息を吐いて
「努力はする。だが、すぐすぐにとはいかんぞ。」

「君の苦しみは君にならなきゃ完全に理解できないけれど、それぐらいは僕だってわかってるよ。」

ルートはギルトーニの方に軽く手を置き二三度ぽんぽんと叩いた。





[ 2009/03/27 23:56 ] マルフベード家 | トラックバック(-) | CM(0)

マルフベード家-3話-深淵の悔み 

ギルトーニはフィアから逃げるように去り、一人部屋に閉じこもって思い更けていた。


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もう、何年前になるだろうか……。

4月なのに雪が降って寒い日だった。


魔王・ジルフィード様のために忠誠を誓い、働いていた時だ。
陛下は新たな力を得るためにベルザス地区にあるパワーストーンを探していらっしゃった。
だが、その地区にすむシム共がそれを横取りしよう目論んでいた。
私はそれを阻止するためにシム共の家に侵入した。

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魔王陛下の邪魔をするものは誰一人として許さん!!!

私の中の血流の速度が一気に増していくのを感じた。




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私はまず家にはいると、この家の主を殺した。
主を殺せば済む話だったのだが……。
この頃の私は血の気が多く、とても彼を殺しただけでは済まなかった。



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その主の妻はキッチンで夕食の支度をしていた。
私は容赦なく後ろから切り殺した。
悲鳴も上げずに死んでいった。

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そして、部屋にいた子供たちも……。

彼らは、私に気づき必死に



「殺さないで!!」



そう叫んでいた。
しかし、無慈悲な私にそれが聞き入れられることはなかった。

あの大きな瞳の淵に悲しみを浮かべ、私を見つめていた。
その時は何とも思わなかったが、あの瞳を見るたびに私はおかしくなる。


その後、陛下にそのことをご報告した。
陛下のためとはいえ、命令もされずシムたちを殺したことは罪になる。
陛下は今後、一切尽くす必要はないとおっしゃった。
そして、静かにどこかで暮せと言われた。

私は何らかの罰を受ける覚悟でいたが、そう言われただけで、何も罰は与えられなかった。
陛下は後で、「お前のしたことは許し難いことだが、お前を罰したところで一体何が変わる。
お前は、決して無慈悲な男ではないはず……。だから私はお前を罰することはしない。」と仰られた。


そう言っていただけて少し心が楽になった……。
だが、私はそれ以来子供の姿を見ると、あの時殺した子供たちの顔が思い出されるのだ。

あの無垢な存在に自分はまた傷つけてしまうのではないかと恐れているのだ。



だが、それがゆえにまた子供を傷つけてしまうこともあった。


私はそれをフィアという子供にまた同じことをしてしまうのだろうか……。








[ 2009/03/27 23:27 ] マルフベード家 | トラックバック(-) | CM(0)

マルフベード家-2話-フィアが来た 

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さて、ルートはギルトーニの家に来ました。
ギルトーニの家もボロボロですね。


「えっと、ジルフィード様から聞いているよね。ごめん。僕が家を持ってないから君を巻き込んじゃって」

「全くだと言いたいところだが、私もあの時のことはそろそろ克服しなければいけないと思っていたのだ。
いい機会だから、お前を責めるのはやめておく。」

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「はは、ずいぶん会ってなかったけれど、ギルトーニは相変わらず優しいね」

「煩い。それで、その例の娘はもう連れてきているのだろう。さっさと顔を拝むとするか。」



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「う、うむ……。」


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そっと手をのばしてみますが……。

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「早っ!!」

道のりは長そうです。
[ 2009/03/27 19:17 ] マルフベード家 | トラックバック(-) | CM(0)
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